充実ライフ ラボ

予測不能で不透明なVUCA時代のワーク&ライフ

学生アルバイトを社員として採用できるところ、できないところ。例えば、ワンデイのインターンシップよりも大事にすることとは。

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通・小売・サービス・飲食業などにおける人材不足は深刻な問題です。

ここ数年、こうした人手不足を補うために外国人労働者を積極的に雇うところも増えていますが、それでもパートやアルバイトが集まらずに閉店に追い込まれることも珍しくないです。

そうした状況下での学生アルバイトは、貴重な働き手であり、できればそのまま社員として入社してもらい、即戦力としての活躍を願うところも多いはずです。

では、当の学生はどうでしょうか?

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面接・ES・履歴書で、学生時代にいちばん頑張ったことに「アルバイトの経験」を挙げる人は相変わらず多いです。

これは、今も昔も変わらない自己PRの鉄板ネタになっているのですが、人事に「なぜ学業ではないのですか?」と突っ込まれるのも、就活での決まり事です。

中でも、流通・小売・サービス・飲食業でのアルバイト経験というのが、やはり圧倒的に多く、面接時点でのアルバイト先の評価は、かなり好評価・好印象です。

もちろん、採用選考ですので、あえてネガティブな印象になるような、批判的なことは、たとえ思っていても? 言わないほうがいいと学んでたりするかと思いますが。

例えば、面接でよくあるやり取りはこんな感じ。

Q :アルバイト先の仕事はどうですか?
A :最初は大変でしたが、最近はバイトリーダーも任せてもらえ、発注から品出し、接客まで社員並に仕事もでき、とてもやりがいがあります。
Q :そこを辞めて他の仕事に挑戦することは考えませんでしたか?
A : ありませんでした。
Q : なぜですか?
A : 職場の雰囲気も良く、社員もバイトもとても仲が良く、働きやすく、働きぶりも評価してもらえ…(略)
Q : そこで社員として働くことは考えないのですか?
A : 考えていません(即答)
Q : なぜですか?
A : アルバイトとして働く分には良いのですが、社員となると…
Q : なぜですか?
A : 社員から「ウチはやめた方がいいよ、大変だから」とか言われてますし、実際、社員を見てると大変そうですから(略)
Q : そちらの会社説明会にも参加しないのですか?
A :  ハイ!まったく考えていません(即答)

アルバイト先の課題や問題点の指摘、それに対する解決策を具体的かつ明確に答えたり、仕事に対する意識と意欲の高さを強く感じることばかりで、すごくもったいないなと。

そんなに頑張って、アルバイト先からも評価されているのなら、そこでエースを目指して働けばいいのにと単純に思うわけですが、「バイトはバイト、仕事とは別ですから」で終わりです。(いやいや、アルバイトも立派な仕事では?と思いますが… )

社会に出てやりたいことが別にある、というのが大半の学生の基本スタンスであるのも実際。

もちろん、反対のケースもあります。

アルバイト先での日々の仕事を通して興味が高くなっていき、社員からの後押し(推薦)もあって、そこに就職する学生も。

また、そこに就職するためにアルバイトから入り込んで、就活を有利にしようと戦略的にアルバイトを活用するという学生もいます。

職業選択は自由であり、正解はありません。

むしろ、いろいろあるべきだとも思います。

ただ、最初のケースはホントもったいないです。

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人手不足、アルバイト不足はどこも深刻な問題です!

そうしたところは、社員は間違いなく忙しく、疲弊しています。

労働時間も長くなりがちで、休みもなく働く必要もあるでしょう。

その社員の様子を見て「ここでは働けないな」と、学生アルバイトはリアルな体感で就職先から除外してしまいます。

怖いのは、それが本人だけでなく、友だちと簡単に共有されることです。

最悪、ブラックな職場だとも言われて。

若者世代では、SNSなどの口コミは、メデイアの情報以上に重要視されています。

であれは、それを逆説的に活用するのが一番です。

まず、現場の声をしっかり聞くことからはじめます。

よくある満足度調査やアンケート、上司から直接のヒアリングなど、手段はなんでも結構です。

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 対象は、社員やアルバイト・パートなど働く人の全員と、可能であればお客様にも。

新卒採用に課題があれば、学生アルバイトから「何が良く、何が問題か」を抽出し、それについての対策も考えてみます。

ただし、優先するのは、現に働いている「社員の声」です。

時代のトレンドや、同業他社で成功していることを参考に、なんとなく分かったつもりで職場環境や制度、処遇の改善を「働き方改革」などと行なってもうまくいくとは限りません。

むしろ、「会社は分かってないよね、これって意味あるの」と、社員からの不評が溝をつくってしまうこともあります。

シンプルに、社員の期待と不満は、一体どんなことなのか。

どうしたら社員の満足度が上がり、それが顧客満足度にどう反映できるのか。

その課題を、会社や人事が一方的に解決するのではなく、社員が当事者となって一緒に知恵を出し、一緒になって改善していくことが大事です。

きっと、いつか会社の誰かがやってくれる、という他責でなく、自分たちが変えていくんだ、という自責が、言語と行動となり、アルバイトやお客様に伝わっていきます。

いま働いている社員が、楽しくイキイキと、日々やりがいをもって働くことで、「ここで働きたい!」と思えるような職場環境に近づきます。

社員の満足度が上がれば離職も減りますし、社員の採用にも、アルバイトの採用にも効果が出るはずです。

社員の定着が悪い、新卒採用も上手くいかない、とにかく採用の母集団を増やすために、早期からワンデイ・インターンシップを行なったり、合同企業説明会に出展したり、就職情報サイトにガンガン求人広告を出したりという方法もありますが、いくらお金をかけても定着につながらないというのは費用対効果を考えるといかがなものかと思いますよね。

社員の満足度は採用の成功に直結する、と考えることの方が、むしろ採用成功の近道だと思います。

求人で、なんとかナビとかに多額の広告を出すより、社員やアルバイトがツイッターやインスタなどSNSで「いいよ!」とするだけで、状況が一変する時代です。(もちろん、嘘偽りのつぶやきは炎上し、違った意味で話題になってしまうので倫理観がまず重要です)

社員がやりがいをもって、イキイキ働く職場が確立していれば、ワンデイ・インターンシップのグループワークなど仮想の就業体験によるシナリオ通りの成功体験と、演出された仕事のおもしろみを感じさせる必要などありません。

また、この「なんちゃってインターンシップ」きっかけで動機形成された学生が、入社後のリアリティ・ショックで早期離職がさらに増えると危惧されていることを考えれば、やるべき事はおのずと変わります。

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学生はシビアに見ています。

人手不足で売り手市場の今、ありとあらゆる新卒就職サイト、転職サイト、イベントに出まくっている企業は、採用にお金がかけられるお金持ちの企業とは見られず、不人気・離職者が多い・何か問題ある企業(ブラック)ではないかと怪しまれてしまいます。

こうしたことが、内定辞退のひとつの理由になるということも考慮すべき事実です。

人手不足は、どの業界においても発生しています。

それぞれが自社に合った様々な取り組みに頭を悩ませている中、これから社会に出る学生アルバイトを雇用しているところは、近くに良きアドバイザー、貴重なインターンがいるわけです。

そうした若者の意見を積極的に聞き、社員の働き方の改革の一助にし、改善活動として取り組めば、そこに共感し共に働きたいという若者たちとの繋がりを持つことも可能になります。

社員のための働き方改革は、まじめに着実に取り組めば無限の副次効果も期待できます。

とはいえ、社員の処遇改善や職場環境の改善には、一時的な出費は免れませんので、なによりも経営トップの強い覚悟が絶対です。

ピンチをチャンスに変えられるかどうかは、本気と根気のあるアクション次第です。

社員は見ていないようでしっかり見ています。

メッセージとしてしっかり伝わります。

いい意味でも悪い意味でも。

まずは、身の丈にあった、できるところから、確実に。

基本を忠実に。