ネクストワーク ラボ

予測不能で不透明なVUCA時代の働くを考える

その会社の行く末は、誰が昇進・昇格するかの人事で見えてしまう、という話。

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月は年度のはじまりを迎える企業も多く、この時期に、昇進や昇格、職場の変更など広く人事異動が行われる時期でもあります。

まるで、学生の頃のような、“担任が変わる、クラスが変わる” のような、なんだかドキドキ、ワクワク、ビクビク⁈ みたいに、職場の雰囲気もいつもとは違う緊張感に包まれたりするのではないでしょうか。

そして、いつの時代もよく耳にするのが

なぜ、あの人が?

というフレーズです。

「なぜ、あの人が役員なの?」

「なぜ、あの人が部長なの? 」

「なぜ、あの人が○○なの? 」

「なぜ、あの人は昇進しないの? どう考えても、AさんよりBさんの方が適任なのになぜ?」

誰もが思う適任な人事があれば、予想外の人事異動で、社員から戸惑いや不満の声が聞こえる人事もあります。

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かつて、終身雇用・年功序列型の人事制度が当たり前であった時代は、上の世代から順に役職に昇進昇格することが普通であり、いつかは自分もその恩恵を享受することが約束されているがゆえに、先のような不満があっても暗黙知(誰も何も言わない)というのが職場の文化でした。

しかし、実力主義能力主義など、成果主義へと移行した昨今の人事システムにおいては、その成果のとらえ方の違いにより、社員の目から見た予想外の人事、意外な人事は、起きて当然なのかもしれません。

企業経営のリーダー役である、役員や管理職への登用についてはとくに。

ここを読み解くと、会社がどういう人材を求め、どういう人材を高く評価し、どう処遇するのか、経営トップが期待する “成果の定義” と“ポリシー” が見えてきます。

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部下・同僚から見た「できる人」と、上司から見た「できる人」は、必ずしも一致しません。

例えば、部下の面倒見は悪いけど、顧客からの評判はすごく良く、確実に数字を出すタイプ。

このタイプは、部下からの評判は良くありませんが、経営トップからは一定の評価を得ます。

反対に、部下の面倒見は良く、部下からの評判はすごく高いが、目標の数字(成果)を出せないタイプは、経営層からの信頼は低いのが一般的です。

一方で社員は、業績主義・実績主義の上司よりも

「この上司のもとなら安心して働ける、この上司となら大変な仕事でも頑張れる!」

が企業評価のポイントになってきています。

若手社員の理想とする上司についてのランキングを見ても、ハッキリその傾向が見られます。

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マズローの欲求の段階説でいう、自己実現よりも、

まずは 安全と安心

そして 信頼と承認 の関係の欲求

によるものです。 

freelance-writer.hateblo.jp

 

管理職の仕事は、

①部下の育成と

②組織業績の向上

と言われています。

理想は、バランスよくどちらにも満足な成果を出し続けることですが、それは簡単なことではありません。

企業経営を短期にとらえる経営層は、業績に主眼を置いて評価し、長期的な視点で企業経営を考えている経営層は人材育成に重きを置きます。

自分たちの評価にこだわる経営層は、業績に意識が集中しています。

業績向上は、社員の満足度(働きがい・生きがい)が大きく影響すると考える経営層は、社員の気持ち(感情)を大事にします。

ただ数字だけで仕事をし、部下の面倒見(育成)を疎かにしているタイプを評価(登用)し続けていくと、いつか企業経営に支障が生じることは当然だと理解しているので。

実際、「顧客主義だ、社員が財産だ、と言ってるけど、結局は、数字さえ出せばいいんだよね」が合言葉の組織は、職場でのOJTが機能していない、サポートし合う風土がない、若手の早期退職者が増加している、という傾向があります。

人事施策は社員に対する強力なメッセージです。

経営者の思いがしっかり伝わります。

企業経営にとって人事施策は、すべての根幹をなすものです。

優れだ企業ほど、人事施策を大切に、慎重に、戦略的に行います。

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「企業は人なり」、人は感情で動きます。

会社や仕事に対するエンゲージメント(愛着、思い入れ)といった、働く人の意識や感情が、個人の成長と働きがいに大きく影響し、それがそのまま組織の価値を高め、業績へと繋がる時代です。

多様性が尊重される社会へ大きく進化しています。

そこには、多様な人の数だけ感情が存在すると考えなくてはなりません。

人事戦略において、働く人の感情は無視できない時代です。