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近ごろの労働と雇用をめぐるルールの変更が物語ること

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近ごろの労働と雇用をめぐるルールの変更について、なぜに政府がここまで、これまでにないパワフルな手法で進めているのかを、主観的に裏読みすると、すべての施策が同時期にセットで行われることが重要であるというストーリーが見えてきます。

2019年4月から施行される「働き方改革関連法」の改正により、罰則付きで労働時間の上限を規制し、加えて有給休暇5日の取得も義務付けされます。

もちろん背景には「長時間で過重な労働による健康障害の防止」があるわけですが、政府の期待はむしろ「働く機会を増やす」ことに重きを置いています。

もし、長時間労働を本気で問題視していたら、労災認定基準である月80時間の時間外労働を法律で可能にすることは到底考えられないことですから。

ワークライフバランスの名のもとで、推し進めたいのは、まず女性の労働機会を増やすことです。

そのためには、男性が育児や介護、家事に積極的に参加し、女性の働ける時間と環境づくりを整えなくてはなりません。

イクボスとイクメンとか、男性の育児休業や短時間勤務はなかなか進まず、早く帰る・休むを法制化し、強引にでも育児や介護の支援ができる「ライフの時間」をつくりだそうということです。

また、高年齢者や障害者の雇用と継続の機会を企業側に働きかけるなど、働く意欲のある人への働く機会創出にも注力しています。(障害者雇用の水増し問題で説得力は弱いですが… )

とはいえ、これだけでは労働力人口の減少を補うことはできません。

慢性的な人手不足を、例えばIoT、Ai、ロボットなどによる新たな技術で対処しようという国策も、政府の描いた絵にはまだまだ程遠いのが実態で、とくに人手不足が経営に大きなインパクトを与えている中小企業においては、その理想と現実の差が顕著です。

となると、中で足りないものは、やはり外に頼らざるをえません。

外国人労働者の積極的な受け入れ策です。

どうやら働き方改革の肝はここにありそうです。

外国人労働者の雇用機会の増大を含めたすべてをワンセットで進めないと、改正法による労働時間の削減(時間の上限と有給休暇取得義務による)により、日本企業の競争力が自ずと低下し、それがそのまま日本経済の不活性化につながると考えられるからです。

やはり日本の多くの企業では、まだまだ労働の時間重視による働き方が一般的であり、導入に際し異論が噴出した「高度プロフェッショナル制度」のような労働時間にとらわれず成果を基軸に自由裁量で働く労働環境には至っていないのが実際です。

まだまだ労働時間ありきの成果主義が大半です。

まずやるべきは「仕事の仕方の改革」です。

言うまでもなくこれは法律で統制できるものではなく、経営者と働く人の意識の問題です。

意識改革とそこにマッチする人事制度の実現が必要になります。

また、政府の考えるように単に単純労働としてでなく、高度な職務に就くことを想定して外国人労働者を積極的に受け入れるとなると、やはり課題になるのは新卒採用との関係です。

必要や時に必要な人材をタイムリーに雇い入れることが人材戦略における本来像であり、いつ誰を雇うかは企業の自由であるという発想と、もはやルールは形だけで、むしろルールを守らないことが普通であるという新卒採用という異様なしきたり。

外資系やIT企業はルールに関係なく採用活動をしていることを理由に、どこもかしこもインターンシップという名のもとに採用活動を早期に行うことが当たり前の風潮。

でも、いくら採用活動を早期しても増え続ける内定辞退に困惑する人事の現場。

もしも政府が考えるように優秀な外国人労働者からの応募があれば、内定しても入社が定かでない未知の可能性の新卒者に手間と時間をかけて採用し育成するよりも、即戦力の活躍が期待できる外国人労働者の雇い入れを積極的に考えることは普通なことででしょう。

大手とか中小とか業種とか関係なく。

もちろんこれは、就活ルールの問題でけでなく、むしろ問われるのは外国人労働者と競争しても優位性がある人材を日本の大学などが排出することができるかどうか。

全入学と揶揄されるいまの大学のあり方や教育のあり方が今後ますます強く問われることは間違いありません。

こうした、すべてが大きく関係し合う我が国の難題(これまで放置しすぎたツケ)を一気に精算しようと、ワンストップで実行したいと躍起になっているのがいまの政治の姿だと見ています。

▶︎人事コンさる|note