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採用選考の過程よりも、内定(内々定)の際の採用担当者のアプローチ(態度・対応)で、その会社の本当の姿が見えてきます。

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内定後、最終的に意思決定をする場面で、その企業に入社を決めてよいのかどうか。

そこが第一志望であったとしても、多少なりとも考えるはずです。

むしろ、選考を突破し高揚している気持ちをおさえて、いったん冷静に考える時間を設けることは大事なことです。

冷静な自分で評価を行う際、その企業からの最終的な詰めのアプローチ(手続きなど)が「相手の立場に立って行われているかどうかで評価してみては?」というのが、長く人事の仕事をしてきた私からのアドバイスです。

 

そこの企業では、社員は「人財(投資)」なのか「人材(コスト)」なのか、採用担当(人事)の何気ない態度・対応で、その企業の素(本性)が見えてくることが多いです。

 

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例えば、いちばん分かりやすいのが「内定(内々定)通知」のしかた。

これは、雇用契約の前の約束という段階とはいえ、新卒・中途採用のどちらにおいても、とても重要な手続きです。

就業に関する法律やルールを熟知していない新卒者にとってはなおさら重要です。

とりあえず、電話やメール、書面で内定(内々定)の旨を伝えるにしても、直接会って、雇入れの条件についてのきちんとした説明(就業条件の明示)を行い、不明な点を解消し、その上で、雇用契約の締結の意思があるかどうか、いわゆる「内定(内々定)承諾」の意志確認を行うのが、契約ごとの大原則です。

人ひとりの人生を左右するかもしれない大事なことですので、当たり前といえば当たり前のことですよね。

まず、採用(人事)を担当する立場であれば、こうした思考を持っていて当然のことです。

「人事を見ればその会社のことは大体分かる」は定説です。

 

労働者保護の観点から、労働基準法では「使用者が労働者を雇用するときは、賃金や労働時間等の労働条件を書面などで明示しなければならない」と規定しています。

書面の交付による明示事項
(1) 労働契約の期間
(2) 就業の場所・従事する業務の内容
(3)始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換(交替期日あるいは交替順序等)に関する事項
(4) 賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切り・支払の時期に関する事項
(5) 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

口頭の明示でもよい事項
(6) 昇給に関する事項
(7) 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払の方法、支払時期に関する事項
(8) 臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項
(9) 労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項
(10) 安全・衛生に関する事項
(11) 職業訓練に関する事項
(12) 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
(13) 表彰、制裁に関する事項
(14) 休職に関する事項

(1)~(6)は必ず明示しなければならない事項で、(7)~(14)は制度を設ける場合に明示しなければならない事項です。

どういう条件で雇入れするのか、内定(内々定)の段階で、少なくとも(1)〜(6)については予め書面で明示し、入社意思の確認(内定承諾の確認)をすることが、前述の通り契約においての基本行為です。

特に新卒採用の場合、郵送で通知するよりも、きちんと説明し、理解を促すことを考えれば、手渡しで交付するのが相手に対する配慮だと思います。

今どきは、アルバイトの雇用でもきちんと行われる、当たり前の手続きです。

このプロセスを全てがきちんと行えば、よく問題になる「求人詐欺(聞いていたことと実際が違う!)」の抑止にもなります。

また、雇用するとき(入社日)に就業条件は明示します、という企業もありますが、これは結果として求人詐欺になりやすいです。

よくある「言った」「聞いてない」のトラブルです。

労働基準法では、「明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができる」と規定していますが、その日に、その場で明示された条件に問題があっても、働く側は、雇用契約を即解除(=無職になる)することに躊躇してしまうはずです。

「まあ、いいか」→ 心理を巧みに操り、そうもっていくのがブラック企業の作戦でもあります。

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期日までに内定承諾書の提出にやたらとこだわる企業も要注意です。

また、内定承諾書に「内定承諾後の辞退は、正当な理由がない限り認められません」とか、さらに「その場合、損害賠償を求めることがあります」などと威圧的な文言を記載している企業もあります。

まず、このような記載があったとしても、内定辞退により責任を問われる法的根拠は一切ありません。

むしろ、企業からのこのような圧力は、「オワハラ(本人の意思を無視して無理矢理に就活を終わらせる行為)」とみなされ、公正採用に反するものと評されます。

このような企業は、コンプライアンス意識に問題があります。

そして、そのまま、そうした姿勢が社風になっているはずです。

この手の採用担当者の採用活動の目的は、単に内定承諾書の枚数を一定数集めること。

その「人」は、もう見えていません。

内定承諾書さえ回収できれば、こっちのもの。

そう、これがいわゆる「数」の採用です。

同様のことが、内定承諾書の提出期限にも言えます。

一般的に、目安としての提出期限を設けることが多いです。

これ自体に問題があるわけではありません。

一律的に、期限までに提出がなかったので内々定は取り消します、というのも「数」が目的の採用です。

他の誰かではない「その人」を採用したいのであれば、できる範囲の相談には応じるはずです。

最終的に、採用計画数のひとりという数で見ているのか、これから一緒に働く仲間として見ているのか、ちょっとした態度・対応で分かります。

 

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内定承諾書を提出したら内定辞退はできない、というわけではありませんが、辞退された企業側には少なからず損失と、なんらかの影響は生じます。

まず、不必要な内定は、無意味に複数所持し続けないということ。

これは、相手(その企業だけでなく、その企業を志望する学生も含まれます)に対する気配り・配慮、就活でのエチケット・マナーでもあります。

体(カラダ)はひとつです。

2社以上の内定を得た場合、常に1つを選択し、他方を開放していくことが適切な対応といえるでしょう。

 

内定(内々定)を出した企業は、どんなアプローチを行っていますか?

内定(内々定)の通知を出した後、「承諾書にサインして提出して」と、それで終わっていませんか?

 

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