HRコンサルのネクストワーク・ラボ

カオ★ナシ(元IT系人事)のB面ブログです

社会保障の限界が蟻地獄化する労働社会へ

f:id:freelance_writer:20200117134000j:image

VUCAといわれる不安定で不確実な複雑で曖昧な時代を象徴する具体的出来事が、政治や経済をはじめとする、ありとあらゆる分野で起きています。

そして、労働環境にもその影響が露呈してきています。

なんと言ってもその一番の要因は、やはり先行き不透明で不信感の強い「社会保障制度の行き詰まり」でしょう。

国民の誰しもが共通の課題として長く認識していた「少子高齢化労働人口減少」といった危機的問題に対し、決定的な解決策を打つことなく、選挙の人気取りのための表面的やってる感に終始してきた政治のマズさのつけが労働政策へと転嫁されつつあります。

たとえば、希望する人が70歳まで働ける機会の確保を企業の努力義務とする「70歳定年」導入の検討。

70歳まで肉体的に精神的に負担なく働けるように、長時間労働の制限、有給取得義務、健康経営の取り組み強化、パワハラ防止…

70歳まで現役並みに働く人の処遇改善を見越しているかのような、同一労働同一賃金

法律改正で着々とその実現のための周囲固めが進んでいます。ほんと、近ごろの労働法令の改正のスピードとボリュームは、過去に例を見ないほどの勢いを感じます。すべては「人生100年時代」と銘打っての、生涯労働化政策の早期実現のために。

確かに、生涯現役を望む人もいるでしょう。一方で、悠々自適なセカンドライフを楽しみに働く人もいます。
ワークライフバランスの推奨、ワークの多様化を促しながら、一方で労働強化を図っていく国の施策に翻弄されながら、これから私たちの生き方はどうなるのでしょうか。

f:id:freelance_writer:20200117134841j:image

年金は枯渇し、保険料は掛け捨てに?

老齢としての年金受給はなくなり、障害と遺族の保障のみがその目的になってしまいそうな予感がします。老後の資産形成はあくまでも自己責任でと。

国民の義務として、年齢を問わず、働ける限り働き続けなさい。そして、しっかり納税し、社会に貢献しなさい。それが人間としての存在価値であり幸福なんですと。

表面的には自由国家を装い、知らず知らずのうちにマインド・コントロールされているようにも感じます。

ちょっとずつ登っているようで、気がついたら這い上がることができず… アリ地獄のようにずるずると労働の渦に巻き込まれ、力尽きたらハイそこまで。

将来に対する希望が持てない若者が多いとか、先進国の中では幸福度が底辺だとか言われ、消費税も増税したのに、学校を出たら死ぬまで働かないといけない。実に、キツい厳しい話です。

そんなVUCAの時代、外から正解の道筋を照らされることに期待し、ただなりゆき任せの人生を歩んでいると、気がついたら蟻地獄にハマってしまうかもしれません。

大切なのは「どう生きるか、どう働くか」を社会や会社に依存せず、自分ごととしてしっかり考え行動する「精神的自立」です。
そして、これからの時代を生き抜くため、人間としての感性をどう磨くかです。

これからは、本当の意味での「人間力(ヒューマンスキル)」が問われる時代です。

オープン&フリーなボーダーレス雇用の時代に

f:id:freelance_writer:20200117185816j:image

大企業が病んでいる?

労働問題に関する近ごろの特徴的なニュースに、誰もが知ってる大手企業の名前がちょいちょい登場しているワケですが、2019年12月12日のトヨタ自動車の人事に関するニュースは「なるほど、そーだろうな」と納得した方も多いのではないでしょうか。

まず、その数日前に上司からのパワハラが原因で若手社員が自殺し、その事案が労災認定されたというニュースからそこに繋がってしまうワケですが。

 

freelance-writer.hateblo.jp

 

2019年12月12日のニュースの内容は、トヨタ自動車の特有の問題というより、大企業の多くににあてはまる現実的な課題ではないのかなと思いました。

誰もが知る日本を代表するエリート集団的イメージの強い大手有名企業でも、結局のところ大事なのは「人間力(ヒューマンスキル)」「人となり」「人格」ということを明らかにしたことは、日本的な雇用慣習は、このままでいいのか?という問題を投げかけました。

また、記事中にある「同じ職場にずっといると傲慢に… 」というコメントがありますが、世界のトヨタにも「村社会化的企業文化」があったんだなぁと。

 

freelance-writer.hateblo.jp

 

でも、さすが世界のトヨタだなぁ〜と思ったのは、トヨタ自動車が強みとする「カイゼン(改善)」の取り組みです。ものづくりと同様、人づくりにも問題があればQC的な発想で即座に改善を図る。世界レベルの企業同士でもココはあの問題大き電通とは違うと感じました。

また、いくつかの大手有名企業が早期退職・希望退職を行うと、トヨタ自動車のような異業種派遣という取り組み以上にインパクトあるニュースが続々と。たとえば、ファミリーマートオンワード富士通東芝、日立金属、カシオ、エーザイノーリツ、味の素、セブン&アイ・ホールディングスなどビッグネームばかり。黒字経営の企業でも。

これも、トヨタ自動車の社長が「終身雇用を守っていくのは難しい… 」と発言し、経団連も日本型雇用の見直しに言及するなど、影響力あるところの発言がきっかけに具体的なアクションへと進んでいる感はあります。もちろん、その背景は企業によって様々かと。

一方で、これまで新卒採用でしか入社できなかったような大手有名企業が、続々と中途採用を始めています。異業種や異職種を歓迎とした求人なども。

とくに、現状のビジネスに依存せず、新たな分野への挑戦に前向きな企業ほどその傾向が強いようです。これは必然であり正常な取り組みだと思いまし、採用と雇用のスタイルを変えようとする動きは、今後ますます強くなっていきそうです。

政府は、労働施策総合推進法を改正し、2021年4月から従業員301人以上の大企業に対し、正社員に占める中途採用の割合の公表を義務付けるとしています。中途採用を積極的に行う大企業を明確にし、転職希望者がその情報を得やすくし、社内だけでなく、会社を超えたキャリアアップを図ることを目的に。政府の方針にある、衰退産業から成長企業へ人を動かしたいという強い思いも。

また、大企業に根強い新卒一括採用の慣行見直しを促す狙いもあり、となると、新卒採用のあり方も大きく変わらざるを得ない状態になってしまいます。

まずは、採用の通年化に。そして、新卒・中途の区別のない採用へと。

学生と社会人が同時に面接を行い、その人間力が評価される、そんなオープンでボーダレスな採用に必ず変わっていくと思われます。

となると、学校教育のあり方も大きく問われることになります。すべてが連動し、変わることが要求される、そんな時代が「令和的な働き方」になるのでしょう。

中間管理職の人間力向上狙う
トヨタの異業種派遣」
トヨタ自動車が、課長級の若手管理職を異業種に出向させる新制度を導入するのは、将来有望な人材をあえて厳しい環境に挑戦させて成長を促したいからだ。自動車業界の変革に対応するには、経営層と若手をつなぐ中間管理職の意識改革も課題となっており、未知の領域で学ばせる「荒療治」で、社内の危機意識のさらなる向上を図る。
「武者修行のようなイメージ。トヨタの看板がなくなって、一人で何ができるか考えることが、学ぶ姿勢や謙虚さにつながる」
 トヨタ幹部は、新制度の狙いをこう語る。グループ内や協力会社との間で従来あった人材交流は、専門分野をより深めることに主眼を置いてきた。一月からの制度では、金融や小売り、IT系、ベンチャー企業など、異業種の仕事の仕方を経験し、自らの手で業務を進める「実行力」を磨くことを求める。
 電動化や自動運転など新技術を巡り激化する開発競争に打ち勝つには、経営陣だけでなく、社員一人一人が意識を変えて仕事に励む必要がある。ただ十月の労使協議会では、変革しようとする職場にマイナス影響を与える中間管理職がいることを労使双方が指摘。会社側は今後、社内外から信頼される「人間力」を人事評価項目に加える方針も示した。異業種での経験は、人間としての幅を広げると同時に、将来に向けて経営感覚を養うことにもつながる。
 河合満副社長は協議会後「同じ職場にずっといると、その職場をよく知っているだけに傲慢(ごうまん)になる。他のところ(職場)に行って、自分で立ち位置を決めたり、トヨタがどういうふうに見えるか、勉強してもらう」と説明した。新しい技術領域では、競争だけでなく、異業種との協調も不可欠になっており、外の立場からトヨタを見たことのある人材の存在が、変革を生き抜く鍵となる可能性もある。
(引用:2019年12月12日・中日新聞朝刊)

パワハラをする人の特徴のひとつ

いつも行動は自分の気分しだい

気分によって言動が変わる

トップギアに入ると周りが見えない

 ▼

理性のブレーキが効かず、感情が暴走する

 ▼

パワハラをしているという自覚はない

 ▼

こんなに自分をイライラさせるのは、相手に問題があると考える

 ▼

悪いのは相手

反省という発想は自分の中にない

 ▼

相手に反省を促す

 ▼

相手の反応に感情が暴走を繰り返す

・・・という負のサイクル。

自己を認識する能力がないので、当然、自己を制御することがない。

自信のなさが、不安を、不安が怒りを生む。

f:id:freelance_writer:20200107221711j:image

 

「違い」が理解できる人・できない人のチガイ

f:id:freelance_writer:20191224214650j:image

ここ数年よく聞く「部下が動かない、育たない、仕事ができない、会話がない…」という悩みごと。

大半は上司の「指導力」の問題です!

上司が一線で働いてきた時代の、社会人=会社人間であるべきといった、昭和の職業観から脱却しないと、組織が化石化します。

かつての会社人間が当たり前の時代は、マネジメントの対象がタスクであり、単一的な管理手法でリーダーシップを発揮することができました。

また、右肩上がりの高度成長の波に乗り、タスクのマネジメントで成果が上がり、あたかもマネジメント能力が高いかのような間違った評価と昇進昇格が普通に行われてきました。

その結果、タスクのマネジメントしができない(部下指導ができない)上司が増えてしまい、組織に混乱をきたしているワケです。

数字は出せるけど、それだけ。部下育成ができない。部下は上司の背中を見て育つものだという旧来の人材成長論を持論とし、ほったらかしの管理手法。

マネジメント能力の対象は、タスクではなく、人間をマネジメントする能力があるか。

人間をマネジメントするには個々の違いを理解して、それに応じた対応ができるかどうか。

指導力の原点はここにあります。

衰退する会社には、これができていない上司がわんさかいます。

まず、部下との会話が極めて少ない、もしくはほぼない。会話なくし相互理解はありえない。

部下は疲弊し、追い込まれ、ほどなく組織は自然と崩壊へと向かっていきます。

働きがいどころか、先行き危ない会社です。

 

人生100年時代、転職できる人か転職できない人か、その違いの差は…

f:id:freelance_writer:20191219205647j:image

いたるところで言われているとおり、ありとあらゆる分野において将来予測が極めて難しく、不透明感が漂うVUCAな時代のいま、世界レベルで突き進むグローバル化と、超絶高度なテクノロジーによるイノベーションは、「日本の働く」を取り巻く環境にもダイナミックな変化をもたらしています。

あれよあれよと言う間に終身雇用は崩れ去り、誰もが知ってる大企業でさえも倒産、買収、吸収合併、コンプライアンス違反による社会的失墜といったことが日常的に起きてる時代です。「寄らば大樹の陰」で、大企業に就職すれば定年まで安泰という考え方も、もはや通用しないワケで…

また、会社の寿命(旬)を30年で一区切りとし、政府がやたらとアピールする「人生100年時代」で考えるみても、新卒で就職し60歳の定年を迎える前に会社の賞味期限、いや消費期限が先に来てしまいます。さらに65歳、70歳と働く期間が長くなればなるほど、複数社で働く必要性がぐっと高くなります。

「人生100年時代」に向けて|厚生労働省

✔️「個人の働く」だけでなく、企業にも存続のため変化が求められています。

日本を代表するブランド企業の多くがすでに成熟期を過ぎており、次のステージに向けた生き残りのチャレンジが問われています。とくに、イノベーション(変化・変革)に弱い日本型雇用システムには変化が必要です。 うかうかしていると、ビジネスにも働き方にも、柔軟でスピード感が強みのベンチャー企業や新興系ICT企業にスッとその立ち位置を奪われてしまいます。いまのキャッシュレス・ビジネスのように。 社会のニーズに迎合される未来型ビジネスモデルをいかにはやく創造し提供できるかで、業界や企業の勢力図がいとも簡単にひっくり返る。そんな過激でチャレンジブルな新陳代謝がどんどん繰り広げられています。 挑戦する者には夢があり、現状維持を望む者には衰退が待ち受けています。

✔️ 働く個人の場合…

日々、なんとな〜く、ぼーっと働いているだけだと、いつのまにかポツンと取り残される、突然振り落とされてしまう、そんな不安も不安定さも十分予感できます。 昨日までのライバル社と経営統合、グループ企業の統廃合、外資系企業に身売りなど、あれよあれよという間に水面下で話が進み、その決定を社員ですらメディアの発表で初めて知る、ということだって。悲しいかな…

こうした、起こりうる変化を恐れて保守的になるのか、変化を新たなチャレンジの機会ととらえ革新的になるのか。 決断によって未来は確実に変わっていきます。 不透明で不確実なVUCAな時代、会社が労働者の終身雇用を約束することは困難であることを前提に、転職ありきで自分のキャリアを自分の意思でコントロールできるようにしておくこと。 会社が労働者に自主自立を求めるのが当たり前になっているわけですから、会社への既存を断ち切り、自由で柔軟な発想と、意思のある行動で自分のキャリアを自由に創ることが大事なことです。

✔️ 発展的破壊??

また、キャリアにおいても「スクラップ・アンド・ビルドの発想」が必要です。 身につけた知識やスキル、経験の蓄積に満足せず、それを更新し続けることに縛られず、陳腐化したものは未練なく壊し、また新しいものを立ち上げる。発展的な破壊です。 そして、その基準は社内ではなく、外の世界に求めます。 今の自分が外の世界で通用するのかどうかは、市場価値を意識することが重要です。 ポイントは社内価値と市場価値とのバランスです。 社内でのポジション(肩書き、役職)にこだわるより、いつでもどこでも必要とされる人材、求められて転職できる人材への転化。 そして、重要度も優先度も高いのが、ソフトスキル、ポータブルスキルの早期獲得です。 転職力のベースとして必須なスキルです。

一寸先は闇のVUCAに惑わされないよう、何を大事に生きていくのか自分軸をしっかり持って、どこへ向かって歩んでいくのか想像力と洞察力を高めながら(キャリアデザイン)変化を楽しむ余裕を持つことがなによりも大事なことでしょう。

人生の大半の時間を費やす「働くこと」が、今よりもっと楽しく、チャレンジにワクワクし、働きがい(充実したもの)になれば、人生の質が自ずと高まっていきますよ。

f:id:freelance_writer:20191219210511j:image